水曜日, 9月 10, 2008

ネモ

なにか、否定したい気分だ。否定して寝たい。

そう、前々から違和感があったのがライブペインティングというやつだ。
たまにバンドのライブがあったりフードが少しあったりといったような少し落ち着いた雰囲気のイベントとかで、んでもって場所もラウンジみたいなとこでよくあるライブペインティング。
あれが俺にはどうもしっくりこない。
それは絵画(に限定されないが)を鑑賞、及び評価するに当たっての観る側の姿勢によるところが大きいと思うのだけど、自分の場合に限っては作品は完成した状態で見るほうがいいと思う。そんな気がする。

ライブペインティングというものの持つ意味はなんとなくつかむことは出来る。
言ってみようか。
簡単に言うと、きっと作家の持つエネルギーを体感できる、生で作品が進行していく様子を目の当たりに出来る、今まさに作品が生まれようとしている瞬間々々のパワーこそ芸術の形としての一端である。
とか、こんなことなのだろうか。
別にそう言ったことを否定するつもりはなくて、むしろこうやって言葉にしてみると別段嫌な感じはしない。考えとしては受入れられる部分もある様に思う。

でも実際にその場にいるとなんだかいつも非常にバカらしくなってしまい、ペインティングをしている人とその行為自体が変に空々しく思えてしまう。
なんというか、多分そこで描かれているものは「作品」には成り得ない気がするからかな。
ライブペインティングでは過程が大事なのであって、それを見せている以上、その過程のせいで、出来上がったものの作品としての大事な意味は薄められていると、感じる。
そう「考える」のではなくて、実際にその場でそう「感じる」。頭での拒否でなく、体や空気の拒否。
完璧に出来上がった作品と初めて対面して、そこで初めてその意味や形と触れ合いたい。
そうでないと自分には合わない。
作品を見せることと、その過程まで見せるというのはもう根本的に違って、あーなんていうかな
全然違うし、後者はきちんとしてない感じがする。

人それぞれ勿論違うと思うし、ライブペインティングはそれの面白さがあるのは多分そうなんだけど、自分としてはもっと芯の強いズドンとした、作品との対面!みたいなシンプルな見かたの方が好きだ。
だからライブペインティングは好きになれない。